きらきらと光る幻想の海の中を、ただひたすらに進む。 上を見上げても水面は見えない、 けれど不思議なことに私が踏みしめる海底の砂は、 もしかすると地上よりも多い光に照らされいた。 側では魚たちが群れをなして泳いでいる。 いや、踊っている、と言ったほうが良いのかもしれない。 まるで１匹の大きな魚であるかのように、彼らは私の周りを動いていた。 やがて魚たちも新たな場所を目指して進み始める。 私も、水底に映り揺れる魚影に案内されるように、先へ、先へと歩いていく。 すると、やがて前方に大きな扉が見えた。 ああ、そうだ。私はあの扉を目指していたんだ。忘れていた目的が、 記憶の海から浮かび上がってくる。 でもなぜだろう、なぜ私はあそこを目指していたんだろう。 ただ一目見るだけか、それともその更に『先』に行くためか。 考えても思い出せない、でも…あそこに入れば、何かが分かる気がした。 勿論、進むかは自由だ。扉をくぐるか、はたまたいま来た道を引き返すか。 誰も何も言わない。当然だ、この海の底には私１人しか居ないんだから。 私が考えて、私が決断する。その結末を見て文句を言うものは居ない。 私はどうしたらいいんだろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー たぐこーな #小説 #創作　#ゆったりやってこ　#小中高大お好きにどうぞ