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ラズベリーソーダと透明な嘘と、もう戻れないあの日のキス

ラズベリーソーダと透明な嘘と、もう戻れないあの日のキス

メンバー 34ノート 12

真夏の午後、冷房の効きすぎた喫茶店。カランと氷の音が響いたラズベリーソーダのグラス越しに、あなたは私をまっすぐ見つめていた。「好きな人、いる?」そう聞かれて、私は笑って首を振った。本当は、目の前にいるあなたがずっと好きだったのに。嘘をついたのにあなたは安心したように、ふうっと小さく息を吐いた。それが、どうしようもなく悲しかった。あなたの隣にいると何もかもが特別に思えた。その全部に私は触れられないことを知っていた。あなたが好きだったのは、私じゃなかった。それでも一緒にいたかった。ほんの少しだけ、夢を見ていたかった。「ねえ、キスって、どんな感じ?」そう聞いたのは、そんな気持ちを誤魔化すためだった。あなたは笑って、「してみる?」と、冗談みたいに言った私たちはキスをした。夏の終わりの、誰にも見られない場所で。あのときのキスは、ラズベリーソーダみたいな味がした。甘くて、ちょっとだけ酸っぱくて、炭酸みたいにすぐに消えてしまった。「忘れて」あなたが言ったその一言が今でも胸に残って離れない。忘れたいと思ったことなんて、一度もないのに。それが最後の夏だった。最後の嘘で、最後の本当だった。嘘をつかなければ、あのキスは今も続いていたのかな。そんなことばかり考えてる。あの日のキスは、あの日のまま、ずっと遠くに置いていくしかないんだと思う。それでも、今でもたまに思うんだ。あのキスが嘘じゃなかったなら、きっと私は、今でもあなたを。 【トラブル厳禁 三大厨禁止 雰囲気重視 緩也】 #k也  ︎︎

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