乱れたシーツとさよならする日を夢見て。
都会のネオンが夜空を切り裂くように、眩しくもどこか寂しげに輝く金曜の夜。彼女はいつもより大胆なドレスと、過剰に盛られたメイクをまとい、ホストクラブのきらびやかな扉を後にした。香水とアルコールが混ざり合った甘い香りが、彼女のまとう空気を刺激的に彩る。高層ビルに映る自分の姿を、ふと虚ろな瞳で見つめては、勘違いでも誰かが「綺麗だ」とささやいてくれることを期待してしまう。 心の奥底では、ただ誰かに必要とされたくて、夜が深くなるにつれて胸の痛みも強くなる。カラフルなエクステとピンクのリボン、ガーリーなハート型のバッグを肩から揺らし、彼女はふらふらと街の片隅を彷徨う。手には開けたばかりの缶チューハイ、もう片手でスマホを握りしめる。画面には、未読スルーされたホストの冷たい既読通知。「好き」と送っても返事はなく、代わりに街のざわめきだけが骨の奥にまで染み込んでくる。 歩道の石畳に座り込むと、夜風が頬をそっと撫で、なぜか涙があふれる。「好き」も「寂しい」も、全部本音なのに、伝わらないもどかしさを抱えて、ゆっくりと夜空を見上げる。星は都会に隠されてほとんど見えないけれど、どこかで自分だけをじっと見守ってくれる星があると信じていたい。すべてが壊れそうでも、誰かのために自分を犠牲にして、この狂おしい感情さえ美しく映ればいいと、どこかロマンチックな妄想に酔いしれる。 知らない誰かが通りすぎても、彼女の涙の理由を尋ねてくれることはない。でも彼女自身は、シンデレラみたいに、いつか誰かがガラスの靴を拾ってくれる日を夢見ている。狂気と純愛、孤独と希望、その境界線ぎりぎりを揺れ動きながら、深夜の街に溶け込んでいく地雷系女子は、ただ一途に「愛されたい」という願いを抱きしめ、今夜もまた酔いつぶれるのだった。 #不健全 #不真面目也 #同顔有り #一度抜けたら二度と入れない #bl #gl